6月1日 東京都杉並区立和泉小学校(後編)

2012年05月19日

「ふりぺ 命の教室」を開催しました!(後編)

(前回、低学年編からの続きです。)

続いて3~6年生の高学年へ向けた教室。相馬校長からはじめの言葉がありました。

「心の用意はできていますか? 勉強する準備です。……まだ心の落ち着いていない人がいるので、少し待ちます。(静寂になっていく)

いのちについて勉強します。すべてのものに命があるということは、皆さんも先生から聞いていると思います。

皆さんは小学生ですから、いろんな方々から守られています。それに感謝しながら、自分に何ができるか考えていると思います。芝生を育てることなどもしていますね。芝生も“命”です。今日はいろいろな命の中でも、動物について考えていきます。

2時間しっかり勉強して、心の中でいろんなことを考えてください」

◇ ◇ 絵本と映像 ◇ ◇

そして始まった高学年向けのプログラム。最初は低学年と同じく、どいかやさんの絵本のスライドショー+坂本美雨さんの朗読です。終わった後、どいさんから

一言、子どもたちへ、こんな語りかけがありました。

どい「今、皆さんに見ていただいたように、ハルちゃんのような、家族からもう一緒に暮らしたくない、飼えないという犬や猫はたくさんいるんです。施設にたくさん閉じ込められて殺されてしまう。せっかくこの世に生まれてきたのに、どうして殺されなければいけないのか? 私も考えていますが、皆さんも、毎日行われているこの悲しいことを、どうしたら無くしていけるのか、考えてみてください」

 

続いて、飯田基晴さんの映像。低学年向けより少しだけ、踏み込んだ内容になっていて、神戸市動物愛護センター、神奈川県動物愛護協会の事例、そして最後にイギリスのドッグトラストという団体の様子が紹介されました。

「日本でも殺処分数は減っている。10年で半分以下になっている。

動物を捨てるのが人間なら、救うことができるのも人間だ。

あなたはどんな人間になりたいですか?(飯田監督の映画のセリフより)」

そして、飯田監督からお話がありました。子どもたちは拍手で迎えます。

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飯田監督「今日、まずはみんな見てくれてどうもありがとう。一番言いたいのはきちんと見てくれたことへのお礼です。せっかくの機会なので内容でわからなかったことはありますか?」

 ◇ ◇ 子供達からの質問 ◇ ◇

 

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最初の質問です。「なんで猫は犬より処分数が多いのですか?」

飯田監督「いい質問ですね。最近、野良犬って東京ではいない。そのかわり野良猫っていっぱいいる。犬は家できちんと管理されるようになってきたが、猫はまだそこまでいかない。かわいそうだと餌をあげる。それは悪くないが、そのままにしておくと増えてしまう。きちんと責任をもって飼うこと。そして不妊去勢手術が必要だと思います」

次の質問。「なんで日本では保護センターに電話しないのですか?」

飯田監督「イギリスでは助けてくれるのに……ということですね。その役割を日本でも役所や動物愛護団体がやっていますが、まだまだ捨てられる犬や猫が多いのですべてを救えないんです」

「ありがとう」とお礼を言う生徒。まわりから拍手が起こりました。

さて、ここからは高学年向けのパートです。実際にどうしたら殺処分を減らしていけるのか、ボランティアさんたちの実際の活動を映像で紹介しました。「クロからの質問」というショートムービーです。

クロは小さな黒猫。一緒に生まれた兄弟たちとセンターと呼ばれるところへ連れて行かれるところから始まって、クロのモノローグでストーリーは展開します。

センターにボランティアの人が迎えに来てくれたこと、ミグノンへ運ばれたこと。そこにはたくさんの犬や猫がいて、散歩、ケージの掃除、これらもボランティアの仕事であること……。

ボランティアさんの必死の看病にもかかわらず、兄弟たちは皆、命を落とし、クロだけが生き残ります。最後はクロのこんなセリフで終わりました。

「新しい家族を待つ。幸せってなに? 太った猫が教えてくれた。いろんな人がちょっとずつ力を貸してくれて僕が元気にいきること。よくわからないけど、早くこないかな、幸せ」

◇ ◇ 東日本大震災で被災したペットのこと ◇ ◇

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続いては、東日本大震災で被災したペットのことを紹介しました。今、危険区域でどんなことが起こっているのか。意に反してペットを家に残して避難せざるを得なかった飼い主さんたちの悲しみと苦悩。そしてここで、実際に被災地でペットの救済活動を行った、ペットサロンミグノンの友森玲子さんが登場しました。友森さんがにわとりを保護している映像が流れたのを受けてのお話です。

友森「私はにわとりを保護しにいったわけではないのですが、にわとりも、他の動物たちと一緒に置き去りになっていました。犬や猫たちは放っておいたら飢え死にしてしまうので保護に行ったのですが、犬を保護していたら、にわとりがこちらを見ているんです。置いてくるわけにいかないので、保護してきてサロンで飼っていたんですが、あまりに大きな声で鳴くので仕事にならず、こちらの小学校で預かっていただきました」

 

そうです。和泉小学校では、被災したにわとりを預かり、みんなで世話をしてくれているのです。

そこで、質問コーナーを設けました。地震で被害にあった動物たちのこと。それ以外の質問ということで、回答するのは、友森玲子さん、どいかやさん、どいさんの絵本のストーリーを書いた作家の渡辺眞子さん、そして飯田基晴監督です。子どもたちから次々に手があがります。

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「犬や猫やにわとり以外にもレスキューしたんですか?」

友森「あちらは畜産農家が多く、地震で逃げた牛が走り回っていました。みんな、とりあえず草を食べて生きているんですが、大きな溝にはまってしまって出られなくなった牛がいたんです。1頭は餓死していましたが、それ以外の牛を助けるため、一生懸命、逃げるための道を作って、はまっていた牛を全部解放してきました」

「クロは家族ができましたか?」

友森「クロは今日は、私がここへ来るので留守にするため、動物病院に預けてきました。クロは身体が弱くて、今でも時々病院に預けています。でも、元気になったら譲渡会に出ます」

「犬や猫のほかに保護される動物はどんなものがあるのですか?」

友森「センターは基本的にペットが入るところで、犬、猫、うさぎやにわとりも入ることがあります。一番多いのは猫ですね。あとは引越しなどの理由で犬が捨てられたり……。飼っている人が多い動物で手がかかる動物が処分されているんです」

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「福島では、全部で何匹の動物を保護してきましたか?」

友森「福島から保護してきた動物は130~140頭、9割は犬で、にわとりもいます。また家族で一緒に暮らせるまで、ほかの人に預かってもらっています」

「映画の時に野良猫をつかまえたのは何匹くらいですか?」

飯田監督「僕が撮影したときは多いときで30匹、施設では1年間で1000匹以上をつかまえて不妊去勢しています」

「ハルって何年くらいで死んじゃったんですか?」

渡辺「私がハルのお話を書いた時は、だいたいみなさんと同じくらい、6歳から7歳、8歳くらいかなと考えました。本当は一番、人間との関係を築ける時なのですが、そういうコたちがたくさんセンターにいるんです。なので、そういう年齢のコにしました」

◇ ◇ ライブ、そしてお礼の言葉 ◇ ◇

高学年の子どもたちも、本当に熱心に質問をしてくれました。最後は低学年の子どもたちと同様に、坂本美雨さん、友森昭一さん、ロビンさんによるライブ。みんなで『ふるさと』を合唱、元気な歌声が体育館に響きました。

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そして最後は高学年を代表して、6年生の男の子からのお礼の言葉です。

「今日、僕は命の大切さを学びました。犬や猫が殺処分される時、係員の人たちはとても辛い気持になるだろうと思いました。もしこれから野良犬や野良猫を見た時は、いつもと違う目で、可哀そうだけではなく、自分が今、どのようにしたら救えるかというようなことを考えていきたいです。今日は和泉小に来てくださって、どうもありがとうございました」

2時間しっかり授業を聞いてくれた皆さんから、FreePetsのメンバーへ大きな拍手が贈られて、今日の「ふりぺ 命の教室」は幕を閉じました。

子どもたちが退場した後、最後に、この教室を参観してくださったPTAの方々に、『FreePets』の西健一代表からご挨拶です。

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西「僕たち『FreePets』のメンバーは、中には一時預かりをしたり、レスキューをしている仲間もいますが、ほとんどは別の仕事を持ちながら主に情報の発信をしており、ステッカーやパンフレットを売りながら活動をしています。年間20万頭を超えるペットの殺処分を無くしていくため、どうすれば良いのかをよく話すのですが、子どものうちから命と接して、当たり前に動物が大切なものになってほしい。小学校でイベントができたらいいなと思っていました。今日はそれが実現できて本当にうれしく思っています。これからもwebサイト等で情報を見て、今後の『ふりぺ』を見守っていただけると幸いです」

『FreePets』では、これからもいろいろなところで「ふりぺ 命の教室」を続けていきたいと考えています。授業をご希望され、また開催のご協力をいただける幼稚園、学校、企業様は、ぜひお問い合わせください。ボランティアによるメンバーの催行であるため、すべてのご要望にお応えできるお約束はできませんが、でき得る範囲で対応していきます。どうぞよろしくお願いいたします。

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